平河天満宮|学問が成就できる撫で牛が鎮座する杜
今年娘が受験なもので、やはり天満宮に参拝しなければとなり、こちらの平河天満宮を参拝しました。
平河天満宮は、亀戸天満宮・湯島天満宮と並び江戸三大天満宮の一つです。
高校受験の時は湯島天神に参拝し、亀戸天神は梅の花を眺めに伺っていました。
江戸三大天満宮残るは、こちらの平河天満宮のみとなりました。
▼目次
沿革
平河天満宮は、江戸城を築城した太田道灌により建立された神社です。
太田道灌と言う人は、室町時代末期の武将で軍事的才能にたけていました。
この太田道灌は、江戸城だけでなく多くの寺社を建立したことでも有名です。
東京の寺社は結構な確率で、太田道灌ゆかりの寺社にあたります。
その太田道灌がある日菅原道真の夢を見、その翌日には菅原道真自筆の画像を贈られるという出来事が続きました。
この夢は霊夢であると道灌は思い、文明十年(一四七八年)に川越の三芳野天神を勧請し城内の北へ自ら施主となり天満宮を建立へと至りました。
菅原道真と梅の花はセットのようなもので、城内には多くの梅が植えられ梅林坂と呼ばれるようになりました。
現在でも皇居平川門内には、多くの梅が有ります。
社名も、平川門の近くにあったためそれにちなんでつけられています。
安土桃山時代になり徳川家康が江戸へ入城すると、江戸城拡張のため当社を平川門外に奉遷されてしまいます。
江戸時代の慶長十二年(一六○七年)に、二代将軍秀忠の命により現在地に奉遷されています。
亀戸天神や湯島天神のようにその土地の名称が神社名につきますがが、この地はもともと貝塚と言われていたのですが平河天神が奉遷によりこの地に建てられたことにより地名が平河と変わりました。
平河天満宮は江戸時代には格式が高く、宮司は単独で将軍に拝謁できるという特権が与えられていました。
将軍家だけでなく尾張・紀州の徳川家や井伊家等の祈願所にもなっていました。
ご祭神とご利益
主祭神
菅原道真公
相殿
誉田別命(八幡宮)
徳川家康公(東照宮)
ご利益
学問特に医学や芸能、商売繁盛等
境内Pick Up
銅鳥居
この鳥居を見た瞬間この鳥居は違うぞと、見とれてしまいました。
高さは5メートルほどもあり、天保十五年(1844)十二月に麹町周辺の住民によって建てられたものです。
寄進した人の「麹町中」と言う字が入っています。この鳥居を寄進した一族は、市ヶ谷の亀岡八幡宮にも銅鳥居を寄進しています。
またこの鳥居は千代田区内最古の鳥居で、平成6年には千代田区指定有形文化財に指定されています。
台座には、網に守られて分かりにくいのですが左右四体づつ獅子の彫刻がのせてあります。
狛犬
こちらの狛犬はちょっとユニークで、右側に鎮座しているのは狛犬ではなく獅子のようです。
左の狛犬と比べると髪がくるくるしています。
左の狛犬は、本来角があったようなのですが、現在は消失し頭部に角がはまっていた穴のみが残っているようです。
力石
力石はいくつかの神社にありますが、この石を力自慢の若者たちがもち上げたというから驚きです。
古来石には神霊がこもるとされ、村々に疫病の侵入を防ぐための神としての役割があったようです。
拝殿
三殿宮
鳥居をくぐってすぐ右側にこの三殿宮が有ります。
●御祭神
大鳥神社(おとりさん)
御祭神 日本武尊命(やまとたけるのみこと)
塩神社(生活の神)
御祭神 豊斟渟神(とよくむぬのかみ)
浅間神社(せんげんさん)
御祭神 木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
大鳥神社と浅間神社は有名ですが、塩神社はあまり聞いたことのない神社です。
豊斟渟神とは、伊邪那岐・伊邪那美より先にこの世界に現れた神様です。
天地開闢にかかわった神々で、初代の国之常立神(くにのとこたちのかみ)から七代の神様を神世七代(かみのよななよ)と言います。
豊斟渟神は古事記では二代目、日本書紀では三代目の神様です。
神楽殿
公式HPによるとこの神楽殿では、「四月の例大祭においては、麹町囃子によるお囃子が行われます。」と記載されていました。
筆塚
表記の文字は禅庵蟻道により書かれました。千代田区指定有形民俗文化財(千有民第二十六号) 指定 平成二十七年四月
平河天満宮HPより
撫で牛・石牛
「撫で牛」と呼ばれ、この牛を撫でることにより学芸が上達するという言い伝えがあります。
そのためこの牛は他の牛と違い摩耗していますし、しっぽが一部有りません。
撫で牛は元々は一対だったそうですが、明治5年頃の資料にはすでに右側の牛は行方不明になっています。
こんな大きな牛盗んだ輩がいるのでしょうかね?
縁結びの梅
菅原道真と言えば「飛梅伝説」が有名で、天満宮・神社には、多くの梅が植えてあります。
平河天満宮の梅は縁結びとしても有名で、多くの梅がおみくじが結ばれています。
根元には夫婦の石像が有ります。
百度石・稲荷神社
百度石とは、お百度参りの起点になる石です。
お百度参りは当初は百日間毎日参詣するというものでしたが、徐々に一晩で百回お参りするものへと変遷してます。
ただこちらの百度石は裏面に奉納者の名前が彫られていますので、結願のお礼に奉納されたもののようです。
境内
手水舎は参道左側、稲荷神社の横にあります。
社務所は、拝殿左側です。
御朱印
御朱印は、境内左側の社務所にて受領できます。
初穂料・・・300円
受付時間 9:00~17:00
毎月1日25日は、特別な御朱印を拝受できます。また牛の日には、摂社お稲荷さんの御朱印が有ります。
お煎餅を一枚いただきました.
御守
御朱印には煎餅が一枚でしたが、御守は二枚付いてきました。
娘には、湯島天神の御守りよりかわいいと好評でした。
頂いた煎餅は、合格が決まったら食べる予定にしています。
周辺情報
平河天満宮から三分くらいの所には、桜で有名な千鳥ヶ淵かあります。
千鳥ヶ淵から北の丸公園に抜けていく道が、桜の時期にはお勧めのコースとなります。
写真:photoACより
基本情報
所在地 | 東京都千代田区平河町1-7-5 |
電話 | TEL 03-3264-3365 FAX 03-3264-0443 |
公式HP | http://hirakawatenjin.or.jp/index.html |
主祭神 | 菅原道真公 |
社格 | 旧村社 |
創建 | 文明10年(1478年) |
例大祭 | 例大祭(4月25日) |
アクセス | 地下鉄半蔵門線「半蔵門」駅下車 一番出口 徒歩1分 地下鉄有楽町線「麹町」駅下車 一番出口 徒歩3分 JR中央 総武線「四ツ谷」駅下車 麹町口 徒歩10分 |
地図
まとめ
「江戸東京の寺社609を歩く」と言う本書いてありましたが、千代田区内は路上喫煙が禁止になり周辺の愛煙家たちは平河天満宮で一服してるとありました。
たしかに、参道への階段に3人のビジネスマンが腰かけくつろいでいました。
本の情報だと灰皿も設置されているとのことでしたが、見つけることが出来ませんでした。
神社の境内で、喫煙するのもどうかとは思いますが!!
江戸東京の寺社609を歩く(山の手・西郊編) (PHP新書) [ 槇野修 ]
追記:娘は無事短大に合格しました。入学金を納めた脚で、お礼参りにちゃんと行ってきました。
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