意外と知らない鳥居の種類。~神明鳥居と明神鳥居~
写真:穴八幡宮
神社の入り口には、必ず鳥居があります。
鳥居は人間の住む世界と神様の領域を分けるものであり、鳥居をくぐることで最初の祓いにもなっています。
鳥居をよく見ると神社ごとに特徴があります。今回は鳥居の種類を紹介していきます。
鳥居の起源に関しては下記のページを参照してください。
関連記事:鳥居は世俗と聖地の境界線~鳥居の起源~
▼目次
鳥居の構造
写真:鶴岡八幡宮
鳥居の元々の形は、二本の円柱の上に笠木(かさき)だけが乗った扉のない門だったと考えられています。(笠木:鳥居・塀・門などの上に横にわたす木のこと。冠木(かぶき)とも呼びます)
その後、他の門と区別するために貫(ぬき)がつけられました。
この貫には、不浄なものが入ることを拒むという意味があります。
鳥居の種類は大きく二つに分けると、神明鳥居・明神鳥居とになります。
神明鳥居
写真:芝大神宮
伊勢神宮の内宮の鳥居が神明鳥居と呼ばれ、鳥居の原型と考えられています。
鳥居の形式としては直線的で、額束はついていません。(額束:鳥居に付いた神社名を示す額)
神明・天祖という名の神社は、ほとんどこの神明鳥居を使っています。(神明・天祖神社:天照大御神を御祭神とする神社)
明神鳥居
写真:北区王子神社
神明鳥居に装飾を施されて成立したのが、明神鳥居です。明神鳥居は、木造の朱塗りの物が主流となっています。(写真は朱塗りでないのが残念です)
この鳥居が現在最も多く普及している鳥居です。
いろいろな鳥居
山王鳥居
写真:山王日枝神社
山王信仰は神仏習合の象徴的な信仰で、比叡山の守り神として最澄が開いたものです。
山王鳥居は、笠木の上に三角形の破風(屋根)が乗った独特な鳥居です。
この鳥居の表す意味は、密教の胎蔵界・金剛界と神道が合一したものを表しています。
ちなみに、日吉・日枝・山王神社の総本宮は、比叡山の日吉大社です。
八幡鳥居
写真:富岡八幡宮
明神系の鳥居ですが、八幡鳥居は他の明神系より笠木の端の反りが大きくなっています。
千本鳥居
写真:根津神社境内社、乙女稲荷
京都の伏見稲荷の千本鳥居が原型ですが、東京の稲荷神社でもよく見かけます。
千本鳥居は、願い事がかなった氏子さんが鳥居を奉納し、このような形になっています。
双龍鳥居
写真:品川神社
品川神社の一の鳥居は、双龍鳥居と言い東京にはこちらを含めて三か所の神社にしかないものです。
他の双龍鳥居は、JR高円寺の「宿鳳山高円寺の境内にある稲荷社」とJR阿佐ヶ谷の「馬橋稲荷神社」となっています。
寺院の鳥居
写真提供:写真AC
聖徳太子が建立した大阪の四天王寺や奈良生駒聖天(宝山寺)には、参道に鳥居があります。
また浄土真宗のお寺の一部にも、参道に鳥居があるケースもあります。
双龍鳥居の欄で紹介した杉並区の高円寺の境内には稲荷神社がありますし、早稲田の穴八幡宮にはかつて境内に寺院がありました。
江戸時代までは神と仏は一体で、仏が日本に現れた時神として現れたとされています。これが「本地垂迹」と言われる考え方です。日本の最高神天照大御神は日の神であり、如来の頂点で日を表す大日如来の化身とされています。
ところが明治時代になると、「神仏分離令」が出され神仏は強制的に引き離されてしまいます。
長い時代一緒に祀られた神仏は、各地でまだ混交した状態を見ることができるわけです。
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まとめ
神社に参拝するということは、普段の生活の中で穢れてしまっている私たちの心と身体を清めるよ言うことです。
清めの行為を祓いと言いますが、鳥居をくぐるときにまず最初の祓いが行われているのです。
その後手水舎で手を清め、お参りをして清めの仕上げとなります。
お願い事をするのは、清めが終わってからしてくださいね。
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