「参道は端を歩く」知らないと恥ずかしい神社参拝の基本

2020年6月7日

参拝

御朱印帳ブームで多くの方が神社に参拝するようになりました。

単なるスタンプラリーで終わらせないで、神様へきちんと挨拶するためのマナーを身に着けたいものです。

今回は、神社でのマナーと神社のいろいろな物のルーツを紹介します。

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▼目次

  1. 参道の歩き方と灯籠・狛犬
  2. 手水舎で禊(みそぎ)
  3. 良い精霊を招く鈴
  4. お賽銭に込めるべきもの
  5. 拝殿での作法
  6. お守り・おみくじとは?
  7. まとめ

参道の歩き方と灯籠・狛犬

神社参道

参道では、人は道の端を歩く

まず神社に行ったら鳥居で一礼し、参道へと入っていきます。

この参道はただの道ではなく、神様の世界と我々の世界を結ぶ道と考えられています。

神様と人々を結ぶ神聖な通路が参道で、神職者はそこにチリ一つ落ちていないように管理しなければなりませんし、我々も何か食べながら通るなどをしてはいけません。

参道の中央を神様が通って人々の世界へとお越しになり、帰るときもやはり中央を通ります。

私たちは神様が通る中央を避け、参道の端を通らなければなりません。

●灯籠

参拝者への照明として作られたものですが、灯明を神様に献ずるという意味があります。

●狛犬

神域を魔物から守っているのが、参道に一対でいる狛犬です。オリエントやインドの神殿に飾られていたライオンの像が、中国・朝鮮半島を経て日本に伝わったと考えられています。

日本の犬と顔が違うため、高麗(朝鮮半島にかつてあった国)の犬だと考えられ狛犬と呼ばれています。

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手水舎で禊(みそぎ)

手水舎

神社に参拝する時は、かならず鳥居を通り抜けてきます。

この鳥居をくぐること自体で、一つの禊になります。

でも私たちは普段から多くの穢れを作っていますので、さらに水で洗い流すことでさらなる禊となります。

現在でも伊勢神宮では五十鈴川で手を清めますが、古代の神社ではやはり近くの川で清めてから参拝していました。

鳥居をくぐり手水舎で清めることで、完全な禊を行います。

手水舎の作法

手水舎は、「ちょうずや」「てみずや」「おみずや」などと読みます。

手水舎マナー

      1. 右手で柄杓を持ち、左手に水を注いで左手を清めます。
      2. 柄杓を持ち替えて右手に水を注いで右手を清めます。
      3. また柄杓を持ち替えて左手で水をため、口に水を含んで口を清めます。
      4. 口を付けた左手をもう一度清めます
      5. 最後に残った水で柄杓の柄を洗い流します。

神社では手水舎での禊だけでなく、いろいろな形で祓いが行われます。

私たちは生きていくといろいろと汚れてしまいます、その汚れを祓い清めるのが神社への参拝の意義です。

神社で清め、清らかな気持ちで人のためになるように生きたいものです。

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良い精霊を招く鈴

神社鈴

手水舎で禊を行い拝殿でいよいよお参りです。拝殿には、大きな鈴があります。

この鈴を鳴らすことは、鎮魂(たましずめ)や魂振(たまふり)と呼ばれていた古代の神事にその起源があります。

古代の人たちは、鈴の音が神霊を招き入れ、邪霊を払ってくれると信じていました。さらに我々の霊力を高めてくれるとも言われています。

鐘を鳴らしたり鈴の音は、空気を揺らし風を起こし精霊達に私たちの意思を伝えます。

私たちに害をなす精霊を吹き飛ばし、私たちに好意をもたらす精霊を招き寄せてくれます。

神社で鈴を鳴らすとき、精霊の事を思いながら鈴を鳴らしてください。

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お賽銭に込めるべきもの

賽銭箱

鈴を鳴らした後お賽銭を入れますが、皆さんはお賽銭は神社への寄付とか願い事をかなえてくれる神様への手数料と考えていませんか?

お賽銭は本来自分のために奉げるものなのです。

古代には祓具(はらえつもの)という考え方がありました。

日本の神道はおおらかで、罪をおかし穢れたものでも祓いによってその罪は清められると考えます。

汚職をした議員が、再選すると禊が終わり罪が許されたように公職に戻っていきいますが、神道のこうした考えがベースにあるのでしょうね!

話を戻しますが、罪を犯し穢れた人はやはりタダでは罪は許されず、自らの意思で迷惑をかけた共同体(世間)に損害に見合った償いをしなければなりません。

この償いの物が祓具であり、罰金のように強制的に徴収されるものではなく自らの意思で差し出すものです。

この考え方が、お賽銭のルーツです。

古代では皇室や貴族は宝物絹織物を、庶民は洗米紙に包み差し出していました。

室町時代になると次第に貨幣が流通しはじめ、現金へと変わっていきました。

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拝殿での作法

参拝

これまで何度か書きましたが、神社への参拝は祓いですよと、本来祓いは定期的に行うのが良いとされています。

生きていると、いろいろな嫌なことストレスがあります。そういう穢れを神前で祓い、リフレッシュされた心で新たな日々を送ることが参拝の重要な意味です。

●「二拝二拍手一拝」の拝礼

神社への拝礼は、鳥居で一礼し、手水舎で手を清め、拝殿で鈴を鳴らし、賽銭を納めて、最後に「二拝二拍手一拝」を行い終わります。

「二拝二拍手一拝」を説明していきます。

二拝とは二度深くお辞儀をします、二拍手では大きな音が出るように二度拍手をし、最後にもう一度お辞儀をして礼拝は終わりです。

お願い事がある方は、二拍手の後にお願い事を心の中で唱えてください。ただ願い事を唱えるタイミングに、細かい決め事は無いようです。

拍手は、左右の手を少しずらして打ちます。

お辞儀は相手に対して敵意がないことを表し、拍手は相手に会ったことへの喜びの表現です。

ま~うれしい事が有るとつい手を打ったりしますよね、それと同じようなものです。

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お守り・おみくじとは?

お守り

お守りと・おみくじは神社の定番ですよね!!

いろいろなお願い事があればお守り、将来のことを知りたければおみくじを引きます。

私もお財布には金運のお守り、手帳には大吉のおみくじが入っています。

●お守り

お守りのルーツは、古代の人たちがお守りとして身に着けていた玉類にあります。

有名な所では、勾玉ですよね。神社によっては、現在でも勾玉はお守りとして授与しています。

円形の球は「たま」と読み「たましい」魂に通じるので、古代人はとても貴重なものとして身に着けていたのです。

人間には多くの欲望があり魂の形を歪めてしまいます、歪みのない玉(球)を見ることによりそれを修正していたのです。

平安時代になると仏教の呪符が流行し、神道もその影響を受け護符を出すようになります。

お守りは、携帯用の護符として出てきて徐々に現在の形になってきました。

●おみくじ

おみくじは直ぐ想像がつきますが、その起源は占いにあります。古代から辻占の風習は、あったようです。

また古代人は、他人が喋ったふとした言葉や何気ない出来事の中に神からのメッセージを感じていました。

さらに時代が進むと神社内で耳にした言葉にお告げを感じるようになり、それが徐々に文章化され人生の一つの指針となっていきます。

それが、おみくじへと変化しました。

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まとめ

神社への参拝は願い事をするために行くのではなく、穢れた心を祓いに行くのが本来の形です。

でも実際、神社側もご利益を前面に押し出していますよね!!

おさらいです。

  1. 鳥居で一礼をして参道に入る
  2. 手水舎で穢れを祓う
  3. 鈴を鳴らし精霊を呼ぶ
  4. お賽銭を納める
  5. 二拝二拍手一拝。この時にお願い事を心の中で唱える。

拝礼が終わった後に、お守り・おみくじ・御朱印などを頂きます。

御朱印を真っ先に頂くのではなく、参拝が終わってから頂いてください。

ラジオ体操が終わってから、スタンプを貰うのと順番が一緒です。


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参考文献:「日本人なら知っておきたい神道」武光 誠著

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