根津神社|江戸の建物が残る貴重な古社
根津神社は、准勅祭社で構成される東京十社の一つです。
私は昨年から「東京十社巡り」をポツリポツリ参拝しています。
11月に品川神社を参拝し、とりあえず十社すべてを周り切りました。
「東京十社巡り」には、専用御朱印帳が有ります。
専用御朱印帳1200円 御朱印は各神社にて(今は箱入りの御朱印帳に変わっています。詳しくは>>>)
前回根津神社に訪問した時には、「東京十社巡り」の存在を知りませんでした。
それにその時はなんと、御朱印帳を忘れてしまいました。
リベンジを兼ねての再訪です。
この根津神社は、1900年ほど前ヤマトタケル尊が創祀と言う由緒ある古社です。
ヤマトタケル尊は、応神天皇の祖父にあたる伝説的な英雄です。
存在性には疑問が有りますが、ヤマトタケル尊と父景行天皇の時代にほぼ日本が統一されたということです。(異説あり)
ヤマトタケル尊は関東から東北にかけてを討伐し、東京にはヤマトタケル尊が戦勝祈願した神社や史跡が多くあります。
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2017年5月9日・2019年12月3日参拝
▼目次
沿革
先にも書きましたが根津神社は、1900年ほど前ヤマトタケルが戦勝を祈願し須佐之男命を祀ったのが起源とされています。
神社として歴史的にはっきりしてくるのは、文明年間(1469年-1486年)になり太田道灌により社殿が造られた時からです。
根津神社に大きな転機が訪れるのは、江戸時代徳川綱吉の時代になってからです。
現在の社殿のある場所には、三代将軍徳川家光の三男甲斐甲府藩主徳川綱重の江戸屋敷が有りました。
この江戸屋敷では、のちの6代将軍になる綱豊が誕生しています。
五代将軍徳川綱吉は、後継者に恵まれず宝永2年(1705年)兄の息子である綱豊を養子とし後継者に指名しました。
後継者になった綱豊は、江戸城に移り家宣と改名しました。
根津神社が家宣の産土神とされていたことから、甲府藩邸を神社に献納し社殿等を建設しました。
新しい社殿は宝永3年(1706年)に綱吉により造られ、同年中に神社は遷座しています。
この時建造された社殿は、現在まで残り重要文化財に指定されているのです。
江戸時代までは根津権現と呼ばれていましたが、明治に神仏分離の折に根津神社と呼称が変わっています。
ご祭神とご利益
主祭神
須佐之男命・大山咋命・誉田別命
相殿
大国主命・菅原道真公
ご利益
縁結び・願望成就
災厄除け・邪気祓い
学業成就
特に縁結びで有名な「願掛けカヤの木」には、多くの女性が訪れています。
写真を撮ってくるのを忘れました。右にかすかに映っています。
願掛けカヤの木は、唐門をくぐり右側にあります。
境内Pick Up
鳥居
東京メトロ千代田線の根津駅を出ると不忍通りに出ます。通りを北側に行くと根津神社入口と言う信号が有り、そこを左に行くとすぐに根津神社の大鳥居が現れてきます。
▼神橋
つつじ苑の前の池から流れ出て、神池へと注ぎ込む水路に架かっているのが神橋です。
東京の神社では見ることがない風景です。
楼門
根津神社の楼門は江戸時代の物が残っており、国の重要文化財に指定されています。
江戸時代の楼門が残っているのは、東京ではこちらの根津神社のみです。
手水舎・神楽殿(舞殿)
▼手水舎
▼神楽殿
楼門を抜けると右側に手水舎、左側に舞殿(神楽殿)が有ります。
こちらの手水舎は、300年ほど前真鶴産本小松石の一枚石から切り出して作られた貴重な水盤です。
手水舎の水が青く澄み切って見えるほど深く掘られていて、現在では見ることが出来ない貴重な手水鉢です。
唐門・透塀(すきべい)
▼唐門
▼透塀
東京都内の神社で、江戸時代に作られた唐門と透塀に囲まれた社殿を有する神社は根津神社だけです。
狛犬
なかなかに強そうな狛犬です。
拝殿・本殿
現在の社殿は、徳川五代将軍綱吉の時代に作られ国の重要文化財に指定されている、荘厳な社殿です。
つつじ苑
根津神社は3,000株のつつじがあり、つつじ祭りの時は多くの屋台なども出るそうです。
このつつじは、甲府藩主徳川綱重の別邸だった時代に植えられたものです。
私たちが行ったのは、5月の初めだったので、残念ながらつつじはほとんど終わっていました。
六代将軍家宣の胞衣塚
胞衣とは、胎盤やその膜のことを言います。
この時代胎盤をとても神聖なものとし、ちゃんと供養したのですね。
千本鳥居
楼門の左側つつじ苑の入り口の所から乙女稲荷神社へと続く千本鳥居です。この鳥居は、西口の鳥居からも千本鳥居が続いていて、乙女稲荷神社は鳥居の中央付近に鎮座しています。
千本鳥居を抜けると、邪気が抜けるとの言い伝えが有ります。
この鳥居は願い事がかなった崇拝者が、奉納したのが始まりと言われています。
摂社・末社
●乙女稲荷
主祭神―倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
千本鳥居の中央に鎮座しているのが、乙女稲荷神社です。
神社の前には、舞台のような社殿が池側に突き出ています。根津神社の社殿を眺められます。
(乙女神社舞台より根津神社社殿を展望)
こちらのお稲荷様は、縁結びの神様として有名です。
(西鳥居より入り、乙女稲荷神社の鳥居を望む)
●駒込稲荷
主祭神―伊弉諾命・伊弉冊命・倉稲魂命・級長津彦命・級長戸辺命
駒込稲荷神社は、徳川綱重の別邸の守り神として寛文元年(1661年)に建てられたものです。
ちなみに浜離宮は元々は綱重の別邸の一つで、離宮内の稲荷神社は当社より勧請したものです。
境内
▼文豪の石
根津神社の近くには東大が有り、かつては夏目漱石や森鴎外が訪れこの石に腰かけたとされています。
特に看板もないため、参拝者のほとんどが注目せずに通り過ぎていきます。
▼森鴎外碑銘水
森鴎外が明治37年に奉納した日露戦争戦利砲弾を飾るための台座跡で、現在では水飲み場として利用されています。
御朱印
社殿右側にて授与
初穂料…500円
周辺情報
▼焼きかりんとう本舗
歌手の松任谷由実さんお気に入りと言う文言につられて入ってみました。
「松任谷由実さんが直接買いに来るのですか」と聞いたところ、マネージャーさんが電話で注文してくるそうです。
揚げていないので、黒糖の味がシッカリしてとてもおいしかったです。
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基本情報
所在地 | 東京都文京区根津1-28-9 |
電話 | TEL :03-3822-0753 |
公式HP | http://www.nedujinja.or.jp/index.html |
主祭神 | 須佐之男命 大山咋命 誉田別命 |
社格 | 旧府社 元准勅祭社 |
創建 | 不詳 |
例大祭 | 9月21日 |
アクセス | 東京メトロ:千代田線「根津駅」・「千駄木駅」徒歩5分
東京メトロ:南北線「東大前駅」徒歩5分 |
まとめ
東京の神社・仏閣を散策していて一番悲しいのが、関東大震災・東京大空襲によりそのほとんどが焼失してしまったということです。
根津神社の建物群は、関東大震災や東京大空襲を潜り抜けてきています。
こちらの神社のことを「強運神社」と言うそうですが、本当に奇跡のような気がします。
何度でも参拝したくなる神社の一つです。
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