大國魂神社|ご利益盛りだくさんの武蔵総社
私は以前府中市に住んでいたので、大國魂神社にはとてもなじみが有ります。
とはいっても実際にお参りしたのは数回で、府中駅(京王線)から府中本町駅(JR南武線)方面に歩いていくとき境内を横切っていくので、通過することの多い神社でした。
十数年ぶりに初詣をしようと(2017年1月10日)参拝しましたが、平日でもまだまだ参拝客は大勢いました。
さすがに東京五社の一つに数えられる神社だけに、参拝客も多いし建物は荘厳という言葉が似合う神社です。
大國魂神社の場所には武蔵国の国府があったところで、かつては東京を含むこの地方の中心地だったわけです。
また大國魂神社は武蔵国の総社で、ここをお参りすれば関東のすべての神社を参拝したことになるありがたい神社です。
大國魂神社沿革
大國魂神社は、第十二代景行天皇41年(西暦111年)5月5日に大國魂大神が降臨して、これを民が祀ったことによるとされています。
大國魂大神は、出雲神話の大国主命と同一と言われています。
景行天皇と言うのは日本武尊の父親で、この時代くらいから大和朝廷により国がまとまり始めたと考えられます。
日本武尊は、熊襲や出雲・蝦夷征伐を行い大和朝廷による日本統一をなした英雄として古事記や日本書紀に描かれています。
想像するに、景行天皇の時代より以前は出雲系の民が武蔵一帯を治めていたのを、大和系の侵略を受け神として封じ込められたのかもしれませんね。(大國魂神社の公式HPにはこのようなことは書いてありません、私の想像です)
大国主命の国譲りの関東版と言ったところでしょうか?
大國魂神社のHPによると「出雲臣天穂日命[いづものおみあめのほひのみこと]の後裔が初めて武蔵国造[むさしのくにのみやつこ]に任ぜられ当社に奉仕してから、代々の国造が奉仕してその祭務を掌られたといわれる。」とあります。
大国主命が国譲りして大和朝廷から派遣された国造の後裔が、やはり武蔵野国の神社を管理するという不思議を感じます。
大國魂神社と武蔵野国の国府はほぼ同一箇所に作られています。
史跡国府跡は、大國魂神社のすぐ近くにあります。
大國魂神社Picture
鳥居
2017年1月10日に訪れましたので、まだお正月体制のままでした。平日でも参拝される方は、多くいました。
狛犬
宝物殿には、鎌倉時代の仏師運慶作の寄木造りの狛犬が有り、国指定の重要文化財になっています。
境内にある狛犬も十分な貫禄のある狛犬です。
隋神門
この隋神門は、平成23年に大改修され美しい門です。
写真にかすかに見える神様は、「豊磐間戸命」「櫛磐間戸命」という門の神様です。
拝殿
現在の拝殿は、明治18年に改築し昭和53年に改修された、立派な屋根のつくりの拝殿です。
本殿
一般の人は本殿には入れませんので、拝殿を裏から撮ったものです。
摂社・末社
律令制の時代は、国司が着任した時その国の指定された神社を順に参拝しなければならないという決まりが有りました。
その国の神様たちにあいさつ回りをしなければならないわけですが、時代が下っていくと一つの神社に神様を合祀しその神社を総社と指定するようになりました。
多忙な国司が国中の神社を周るのを省略するために作られたのが総社で、武蔵野国の総社がこの大國魂神社です。
武蔵国の国府は、大國魂神社に隣接してましたから、国司としてはとても楽ですよね!!
そう言うわけで、大國魂神社には多くの摂社・末社が有ります。
▼宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)摂社
宮乃咩神社は演芸と安産の神様です。
伝えでは、源頼朝が妻の北条正子の安産祈願のためにこの神社に祈願のつかいを出したそうです。
安産祈願のために、多くのひしゃくに願いをかけて祈祷されています。
このひしゃくには穴が開いていて、抜けるように安産になるそうです。
▼水神社
境内の井戸(地下120m)から汲み上げたご神水。
お水取りとして、神水をいただけます。
人型に願い事を書き流します。
▼松尾神社
京都の松尾大社より江戸時代に勧請された神社です。
醸造の神様で、醸造メーカーが熱く信仰しています。
▼巽神社
弁財天を祀っている神社で、辰巳の方角にあるため辰神社と称しています。
▼住吉神社・大鳥神社
大阪にある住吉大社や大鳥神社の御分霊です。
ご神木
拝殿・本殿の裏手にあるのが、このご神木です。
この御神木は、産後の肥立ちが良くなるというご加護が有ります。
その昔ご神木の根元に蜷貝(にながい)が生息していて、これを煎じて飲んだところお乳の出が良くなったという言い伝えがあります。
蜷貝は当然海の生き物です、なんで銀杏の木の下で生息してたかは不明ですが、摂社の宮乃咩神社で安産祈願した方はお礼参りしたついでに、このご神木にも参拝してください。
お乳の出が良くなります?
ご神木から直接霊力を貰おうと思いご神木を触る人がいますが、絶対に辞めましょうね!!
大國魂神社基本情報
所在地 | 東京都府中市宮町3-1 |
電話 | 042-362-2130 |
主祭神 | 主祭神―大國魂大神(大国主神) 配祀神 ・御霊大神 (ごりょうおおかみ) ・国内諸神 ・武蔵国の一宮~六宮の神々 ・一宮:小野大神(天ノ下春命) ・二宮:小河大神(国常立尊) ・三宮:氷川大神(須佐之男命・稲田姫命・大己貴命) ・四宮:秩父大神(八意思金命・知知夫彦命・天之御中主神) ・五宮:金佐奈大神(天照大神・素戔鳴尊・大和武尊) ・六宮:杉山大神(五十猛命・大日霊貴命・素戔鳴尊) |
社格等 | 武蔵国総社、東京五社、旧官幣小社、別表神社 |
創建 | 111年(第12代景行天皇41年) |
例大祭 | 5月5日 くらやみ祭(4月30日~5月6日) |
アクセス | 京王線「府中駅」徒歩3分 |
JR武蔵野線・南武線「府中本町駅」徒歩7分 |
まとめ
以前府中に住んでいたせいもありますが、とても懐かしい気がしますし、私自身結婚式は大国主命の御前で上げていますので、私にとって大國魂神社は特別な神社です。
大國魂神社は、総社ですから自分の願い事をどこの神社に行けばお願いできるか迷ったら「府中に行きましょう」と思って下さい。
特に出産を控えてたり、子宝を授かりたい・産後の肥立ちが悪いなど、女性の方にはお勧めのスポットです。
※この記事は2017年1月11日更新の記事を、大幅加筆修正したものです。
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