神田神社|「平将門」御祭神として昭和に復活!!
東京十社巡りも神田神社で、7社目となりました。(関連記事:東京十社巡りで、心に癒しを!!〜元准勅祭社を巡る散歩〜)
神田神社の最寄り駅は、神田ではなく御茶ノ水駅が最寄り駅になります。
御茶ノ水駅では聖橋口から出て、歩いて5分くらいのところに神田神社があります。
聖橋は現在長命化工事を、昨年(2018年4月より)から行っています。
さだまさしさんの「檸檬」と言う曲の中で、この聖橋の上からかじりかけのレモンを投げたというフレーズが有ります。
聖橋は神田川の水面からずいぶんの高さが有ります、チョット危険ですがその当時は真似をしたいと思ってしまいました。
(2019年4月23日参拝)
▼目次
沿革
一般的には神田明神と呼ばれていますが、正式名称は神田神社です。
これは明治時代に神仏分離により、明神という仏教的な呼び名は廃され明神・大明神と呼ばれていた神社はただ神社と呼ぶようになりました。
でも庶民に親しまれている呼び名は、結局残り今でも看板等は神田明神となっています。(pictureにある写真にも神田明神と言う看板が有ります)
御朱印にも両方書かれています。
神田神社の創建は、とても古く天平2年(730年)とあります。これは東京・江戸の神社で最も古い神社の一つです。当時は安房神社と呼ばれていました。
当社は元々は、大手町にある将門の首塚にありましたが、徳川家康が江戸城開城の折表鬼門の地にあたる現在地に遷座させました。
この遷座に伴い神田神社は「江戸総鎮守」となり、幕府から庶民に至るまで多くの人々の崇敬を集めるようになっていきます。
明治時代には准勅祭社・東京府社に列し、明治時代になっても多くの信仰を集めています。
東京の多くの寺社が東京大空襲により焼失し、戦後コンクリート造で再建しています。
神田神社もコンクリート造りの社殿ですが、昭和9年(1934年)戦前に鉄骨鉄筋コンクリートで作られたものです。
コンクリート造りのおかげで空襲でも焼け残り、戦前の造りを今でも残しています。
造りは、総漆で朱塗りされた荘厳な権現造りの社殿です。
この社殿は、国指定登録文化財となっています。
将門の体をまつる神社
先にも書きましたが、神田明神は大手町にある将門の首塚の近くにありました。
将門は天慶3年(940年)に藤原秀郷(俵藤太)に討たれ、京の七条河原にてさらし首となりました。
さらし首になって3日目に白光を発し飛び去り、現在の大手町 武蔵国豊島郡芝崎に落下したとされています。
伝承では台地は鳴動し太陽は光を失い、人々は恐れおののきました。
恐怖した住民は円墳状の塚を作り、これがのちに首塚となったとされています。
実際には首が飛んできたのではなく将門の家臣に懇願された僧侶が、「首と胴体を一つにしないと祟りになる」と言い、交渉して持ち帰ったというのが真相のようです。(真実を知ると面白くありませんね!)
将門終焉の地から胴体を掘り出し、首と胴を一緒に供養したのが現在の大手町付近です。胴体が埋められていたのは、茨城県岩井市の神田山という所でした。
いったん祟りが収まっていたかに見えたのですが、1309年になると再び洪水や疫病が起こるようになりました。
そこに時宗の僧真教が廻国中に芝崎村に訪れ、首塚の前に板石塔婆を立てて供養し、荒廃していた寺院を再建して芝崎道場としました。(芝崎道場は、現在浅草の日輪寺として今に残っています)
また真教はこの時に安房神社を、神田神社と名を改めました。
神田とは神田=カタと読み、カラダ(体)から変化したと考えられています。
将門の胴体=カラダを祀る神社として、神田神社と名づけられたようです。
神田という地名が、将門の胴体からきているとは知りませんでした。(諸説あり)
ご祭神とご利益
御祭神は、一ノ宮、大己貴命 (おおなむちのみこと)二ノ宮、少彦名命 (すくなひこなのみこと)三ノ宮、平将門命 (たいらのまさかどのみこと)となっています。
大己貴命とは大国主命の別名で大黒様をさします、少彦名命は恵比寿様です。
大黒様と恵比寿様はセットで祀られることも多く、縁結び・商売繁盛の神様として信仰を集めています。
三ノ宮は、先に書きました平将門です。
神田神社が730年の創建で、平将門が合祀されたのが延慶2年(1309年)のことです。
朝敵である将門ですが関東の武士の間ではヒーロー的存在であり、西から来た家康にとっては地元のヒーローを敬うことで民衆の気持ちを集めようとしたようです。
その後歴代の将軍たちも神田明神に参詣し、神田祭の山車や練物は江戸市中を周り江戸城の中まで入り将軍も上覧するほどの祭りでした。
神田祭は、山王日枝神社の山王祭と伴に天下祭り・御用祭りと称され江戸の華となっていました。
ところが明治時代になると朝敵である将門を祀ることに異を唱えるものが出てきて、将門は別殿へ移され代わりに少彦名命が大洗磯前神社から分霊されてきました。
戦後NHKの大河ドラマで将門が放映されると、将門人気に火が付きなんと三ノ宮へと復活し現在に至っています。
参考:gooの古地図を見ると神田神社の横に将門神社があります。goo古地図>>>
明治時代には、分離していた事が判ります。(古地図をクリックして閲覧してください)
▼ご利益
大黒様は縁結び、恵比寿様は商売繁盛、将門様は勝負運アップの神様として有名です。
神田明神Picture
大鳥居
神田明神と看板には書いてありますが、鳥居には神田神社と記されています。
隋神門
隨神門は、昭和51年に檜木造で再建されたものです。
なかなか立派で、見入ってしまいました。
狛犬
犬と言うよりライオンと言う感じの迫力を感じます。
本殿
社殿は、関東大震災により焼失し昭和9年に再建されたものです。
この再建で本殿は鉄骨鉄筋コンクリートを使った頑丈な建物となり、東京大空襲の炎でも本殿は焼け残りました。
頑丈な本殿ですが、コンクリート造りを感じない温かみがあります。
摂社・末社
江戸神社は、大宝2年(702年)今の皇居の地に創建された江戸最古の地主神です。
この地主神を祀っていたのが、江戸の地名を名乗った平氏一門の江戸氏の一族です。
境内風景
獅子が千尋の谷から子供を落とし這い上がってきた子のみを育てるという逸話を、再現した石造物です。
国歌にも歌われている「さざれ石」です。伊吹山山麓産出と右の碑に書かれています。
大銀杏は、関東大震災で本殿などが焼け落ちた中この大銀杏だけが焼け残ったとされています。
神田神社にはいきた御神馬「あかりちゃん」がいますが、この時は出張中なのかいませんでした。
写真は隋神門にある御神馬の像です。モノクロ写真にすると味が有ります。
2015年に撮影したものです。
基本情報
所在地 | 東京都千代田区外神田2丁目16番2号 |
電話 | TEL : 03-3254-0753
FAX:03-3255-8875 |
公式HP | https://www.kandamyoujin.or.jp/ |
主祭神 | 大己貴命 少彦名命 平将門命 |
社格 | 旧准勅祭社、旧府社、別表神社 |
創建 | 伝天平2年(730年) |
例大祭 | 5月15日頃(神田祭) |
アクセス | JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅の聖橋口より徒歩約5分 JR京浜東北線・山手線、地下鉄日比谷線「秋葉原」駅電気街口より徒歩約7分 東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」、千代田線「新御茶ノ水」、銀座線「末広町」各駅聖橋口より徒歩約5分 |
御朱印
御朱印は境内入り左側にある文化交流館一階で付与しています。
初穂料300円
御朱印帳は、見開きのページが必要です。
周辺情報
▼天野屋
大鳥居の脇にあるお茶屋さんです。この店の特徴は、地下6メートルの所から放射状に延びた糀室(こうじむろ)が有り、そこで甘酒や味噌を作っています。
お店の創業は、弘化3年(1846年)と伝わっており、糀室も160年以上使われています。
平成21年には、糀室が千代田区の有形文化財に指定されています。
冷やし甘酒450円です。テイクアウトは、350円。
ジャンル:和菓子
アクセス:東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅B2口 徒歩5分
住所:〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-15(地図)
周辺のお店のネット予約:
・やきとりwine 炭葡萄のコース一覧
・大衆酒場 神田とらのコース一覧
・神田 五大のコース一覧
周辺のお店:

情報掲載日:2019年5月11日
▼知夢仁 お茶の水イン店
お茶の水駅を出て聖橋を渡り本郷通りの交差点にお茶の水インが有りその地下にあります。
ランチが700円くらいで食べれますし、ここから1分くらいで神田神社につきます。

ジャンル:和風居酒屋
アクセス:JR御茶ノ水駅 聖橋口 徒歩3分
住所:〒113-0034 東京都文京区湯島1-3-7 ホテルお茶の水インB1(地図)
周辺のお店のネット予約:
・もつ鍋と九州料理 ばんぺい柚 秋葉原UDX店のコース一覧
・海鮮和食 行楽庵 秋葉原店のコース一覧
・北の味紀行と地酒 北海道 秋葉原店のコース一覧
周辺のお店:

情報掲載日:2019年5月11日
まとめ
大手町の将門塚に関わる怨霊話は有名です。
将門イコール怨霊というイメージを持って神田神社に行くと全く違い、暖かみのある明るい神社です。
将門にしろ大国主(大黒様)にしろ時の為政者からすると敵であり祟り神だったのでしょうが、祟り神を祀ることでご利益の高い神となります。
天皇家からすれば御先祖の神々ではありませんが、武士や庶民にとっては有難い神様だったのでしょうね!
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