『本当は謎がない「古代史」』八幡和郎著
この本を読んで、まさに目から鱗という気になりました。
古代史のスッキリしないところを、随分と通りを良くしてくれる一冊です。
通史にありがちな、断片的というか矛盾している部分や、後世に思い込みや信仰により作られたものを検証し、正しています。
古事記・日本書紀を素直によみ学者の説やイデオロギー、国家の政治的意図を排して歴史を読み込むと、古代史の矛盾点がはっきりしてきます。
例えば、神武東征はなかったと作者は語ります。
日本書紀などには、数人で日向を出発したとしか書いてありません。決して軍団を率いて出征したわけではないようです。
大和に到着するのに長い年月を、要しています。
そんな長い期間本拠地でないところで、兵を養っていけるかが大きな疑問でした。
しかし、数人でしかも兄弟で出郷したのであれば納得します。
のちの時代でいうと、斎藤道三や北条早雲みたいに単身でその国に入り、やがて国を獲ったというのが日本書紀に書いてある真実です。
後世の人の創造が、日本書紀に書いてないのに真実と信じ込んでしまっているのが現実のようです。
神武天皇の建国は、大和の一部の領地の王になったと言うことで、大和朝廷を作ったということではありません。
古代から平安時代までの、疑問や矛盾を解いてくれる一冊です。
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