御朱印入門
最近では、御朱印がブームになり御朱印が頂ける寺院・神社は参拝する方が増えているような気がします。
私自身は都内の小さな寺院や神社を周るのも好きなので、そういうところでは御朱印の対応はしていません。
御朱印集めが熱心とは言えませんが、御朱印を頂ける寺院・神社では御朱印を頂いてきています。
このブームも善し悪しで、やはり多くの人が御朱印集めに狂騒するとマナーに問題のある人も出てきます。
知り合いの方に聞いたのですが、御朱印を書いている僧侶の方を無断で写真を撮り大変起こられている人を見たと聞きました。
寺院・神社の空間は聖なるところですから、やはりマナーを守らないといけませんよね!!
▼目次
御朱印の意味と歴史
御朱印は元々は納経印と呼ばれていましたし、御朱印帳は当然納経帳と呼ばれていました。本来は写経したものを奉納した証として、納経帳に印を頂いたものが起源になっています。
今でもお寺によっては、納経所と書いてあるところもあります。
ところが江戸時代も中ごろになると、寺院への参拝が信仰より観光や旅の一環となり、御朱印の意味も変化し参拝の証と変化しました。
寺院で参拝の証として御朱印を出す習慣は、やがて神社にも伝搬して神社でも御朱印を出すようになっていきました。
江戸の庶民にとっての寺社は現在のテーマパークのような存在で、寺院では富くじなども売られ各寺社は御利益を宣伝するようになっていました。
また当時の御朱印は、呪符としても出されていました。
さて朱印とは何かというと、印鑑の朱肉の色が赤色で押したものの事です。
朱印を押す習慣は律令時代からありましたが、平安時代くらいからは「花押」が一般化していきます。
室町後期になるとまた朱印が主となり、戦国時代では信長や秀吉は家臣への指令伝達には朱印、それ以外の書には黒印を押していたようです。
これは江戸時代になるとさらに普及し、公式な書類は朱印状と呼ばれるようになっています。
寺社が参拝者に御朱印を出すようになったのは、それほど歴史は古くなく江戸中期くらいと考えられています。
明治になると庶民がさらに寺社に参拝するようになり、現在のような御朱印帳も現れてきます。
最初のブームは戦後になり、西国三十三所巡礼や四国遍路が盛んになり広く普及していきます。
何かを願ったりするために巡礼するわけですが、巡礼が達成されることを「満願」とか「結願」と言います。巡礼が達成された証としての御朱印帳は、重要な達成記録となり大きく普及したのです。
現在のブームには旅の思い出にという側面より、コレクションとしての側面も強くなってきています。
令和元年の初日には、多くの人が特別な日付の御朱印を求めて寺社に詰めかけ行列したのは記憶に新しい出来事です。
御朱印の頂き方と注意点
普段の生活の中で、聖職者や僧侶の方と接する機会はあまりありません。
御朱印はスタンプラリーのように、ただスタンプを貰うというわけではありません。
やはりちゃんとお参りをして、それから御朱印を頂くようにしたいものです。
参拝・御朱印拝受の手順
①山門・鳥居で一礼をしてから境内に入る。
②手水舎で清める(寺院では手水舎はないところもあります。)
神社の参拝のマナーはこちら「「参道は端を歩く」知らないと恥ずかしい神社参拝の基本」
③お参りをする
神社・・二拝二拍手一拝(90度くらいに二度お辞儀をし、胸の高さで両手を合わせ右の手は少し下へずらして肩幅くらい手を開いて二回拍手をする。最後に再度90度に腰を曲げてお辞儀をする)
寺院・・お辞儀をして、合掌(両手を合わせる)します。
④寺・社務所にて御朱印を頂く
御朱印の書いていただきたいページを出し、御朱印代を払いしお願いします。受け取るときには、お辞儀をしてお礼を言ってください。
御朱印を頂く時の注意点
- 御朱印代には小銭を用意しておきましょう。一万円や五千円札は控えましょう。
- 寺社によっては、「お志し」 として金額の指定されていないところもあります。私が行った寺社では、王子神社が「お志し」でした。
- 基本的には、お参りを済ませてから御朱印を頂くのですが、混雑していて番号札を出しているところなどは、臨機応変に対応してもかまわないようです。
- 御朱印帳を忘れないように!!置き紙で対応してくれるところもありますが、御朱印帳のみというところもあります。御朱印帳を販売してない寺社もあります。残りページが少ないときは準備しておきましょう。
- 御朱印の受付時間は決まっていますから、時間を守っていただきましょう。時間指定がなくても、常識的な時間を考えて行動しましょうね!
- 御朱印を頂いている時は静かにし、僧侶・聖職者にむやみに話しかけないように。
- 法要や祈祷などで、対応できないときもあります、その時は遠慮するように心がけましょう。
- 御朱印はスタンプラリーではありませんので、必ずお参りをしましょうね!
御朱印の見方-寺院編
①札所等の印 | 札所などになっている場合、札所の番号が記された印鑑が押されています。札所でない寺院は山号などが押されています。 |
②御宝印 | 中央にご本尊を示す梵字があしらわれた印が押されています |
③寺名印 | 左下には、寺名・山号を示す印が押されています |
④奉拝 | 墨書きで「奉拝」と書かれていることが多いです。山号がかかれていることもあります。 |
⑤ご本尊 | ご本尊の名前が記されています。もしくはご本尊の別名や御堂の名前が記されているところもあります。 |
⑥寺名 | 墨書きで寺院の名前が記されています |
⑦年月日 | 参拝日が記されています |
関連記事:御朱印一覧・・寺院Part1
御朱印の見方-神社編
①社紋 | 押されてない神社も多いですが、神社の紋やイラストが押されています。 |
②社印 | 中央に神社名が記された印が押されています。 |
③奉拝 | 墨書きで「奉拝」と書かれていることが多いです。 |
④神社名 | 神社の名称がかかれています |
⑤年月日 | 参拝日が記されています |
御朱印帳
御朱印帳は、ジャバラ状の折本になっています。表が終われば、裏に書いていただきます。私は見やすいので、表だけに書いてもらっています。
一般的な御朱印帳は、題箋が張られています。ここには「御朱印帳」「納経帳」と書いたり、個人名を書いたりします。
御朱印代は、300円の所が多いですが500円というところもあります。「お気持ちを納め下さい。」(志納)というところもあります。そういうところでは、私は500円を納めてきます。
巡礼や寺社に専用や独自の御朱印帳があります。上の写真は東京十社の専用御朱印帳です。
まとめ
御朱印を対応しているかを調べるのに私は、「ホトカミ」というサイトで確認しています。
小規模な寺院や神社の場合見てみると、神社の方が御朱印対応しているところが多いような気がします。
やはり御守りとかおみくじを下賜しているので、参拝者の対応をしているからですからでしょうか?
だけど神社の御朱印の一部には、墨書き部分がなく朱印だけの対応もあります。
だだその印が、季節ごとに変わったりと工夫はあります。
御朱印集めをきっかけに、寺院・神社の建造物や歴史に興味を持ち、また心の安寧をはかって頂ければと思います。
私の集めた少ない御朱印を一覧にしています。
御朱印一覧・・寺院編Part1・神社編Part1・Part2
参考文献:「決定版御朱印入門」淡交社
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