源氏ゆかりの東山藤稲荷神社
JR高田馬場駅から徒歩で10分くらいのところに「おとめ山公園」があります。
この公園の入り口近くにひっそりと建っているのが「東山藤稲荷神社」です。
高田馬場駅から神田川を越え新目白通りも越えると、坂道があります。この坂道の頂上付近に「おとめ山公園」があります。その坂道の途中に「東山藤稲荷神社」の石碑があります。
今回もたまたま見つけた神社のレポートです。
参拝日2023年5月16日
▼目次
沿革
石碑脇にこちらの神社の由緒が書かれていました。御由緒書きによりますと、創建は延長5年(927年)と言いますからなかなかの古社です。この時代の天皇は、醍醐天皇、朱雀天皇の時代になります。
創建者は清和源氏の初代源経基で、京都稲荷山(伏見稲荷大社)を勧請しています。経基は承平8年(938年)に武蔵介として現地に赴任してますが、これ以前にも武蔵国に来ていたのでしょうかね?
この時代には平将門の乱があり、一旦京都に戻っていた経基は討伐軍の副将として戻って来るのですが、武蔵国に着く前に将門は俵藤太(藤原秀郷)に討たれていました。この後、藤原純友討伐にも出征するのですが、これも到着した時には純友は討伐された後でした。
当時平将門が謀を企てた折、当東山稲荷の大神様よりその旨御神託あり、経基は早速忍者を走らせ調査した処御神託の通りだったため、帝の許しを頂き、これを平定致しました。
東山藤稲荷神社御由緒書きより
御由緒書きによると源氏一門は、この後当社を厚く信仰したとのことです。
やがて時代の流れと共に、武家のみな 庶民の信仰も厚くなり、「知恵と勇気」を御授け下さる福徳の神様として、その信仰者は農商業、芸能方面と広く江戸市中関東一円に増えていったとのことです。
東山藤稲荷神社御由緒書きより
ご祭神とご利益
ご祭神 | 宇迦之御魂大神 |
相神 | 大宮能売大神
佐田彦大神 |
御利益 |
宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
伊勢神宮外宮と御同神といわれ、衣食住の大祖神にましまし、一家の和合、商売繁昌を守護する神様です。
大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
神楽舞踏の始祖神にましまし歌舞音曲、長寿を守護する神様です。
佐田彦大神(さだびこのおおかみ)
交通、通商貿易を守護し、万事善方に導いて下さる神様です。
東山藤稲荷神社御由緒書きより
境内Pick Up
▼鳥居
一の鳥居
高田馬場駅北口のはす向かいに「さかえ通り」がありますが、その商店街を抜けると新目白通りにぶつかります。ローソンが入っているビルの左側の道が、「おとめ山通り」と言います。
おとめ山通りはなかなかの勾配のきつい坂道なのですが、その途中に先ほど紹介した石碑があり、そこより坂道を少し登りますと左側の道の奥に一の鳥居が見えてきます。
二の鳥居
一の鳥居をくぐり右方向に階段を登ると、二の鳥居が見えます。
この規模の神社で、二の鳥居まであるのは少し珍しいことです。(お稲荷様だと小さな祠でも、幾重にも鳥居がめぐらされていますけどね!)
▼手水舎
手水舎じゃないですよね!鳥居をくぐるとすぐにある池?
こちらの手水舎には、水が張られていません。
▼狛犬
稲荷神社ですから狛犬ではなく、お狐様が凛々しく鎮座しています。
▼社殿・拝殿
いつ再建されたものかは分かりませんが、コンクリート造りの瀟洒な拝殿です。無人の社なので、お賽銭入れ拝殿の中にひっそりとあります。
▼境内
おそらく、この辺りにあった個人の社などから納められた石仏・お狐様かな?
ずいぶんの高台にあることが分かります。
御朱印
御朱印未取得
初穂料・・・500円
授与所:「新宿下落合氷川神社」社務所にて。
※無人社のため御朱印は本務社「新宿下落合氷川神社」にて頂けます。
周辺情報
おとめ山公園
江戸時代にはこの周辺は、将軍家の鷹狩や猪狩などの狩猟場でした。そのため「おとめ山」は、当寺「御留山、御禁止山」などと呼ばれていました。
大正時代になると相馬家がこのあたり一円に広大な屋敷を造成しています。
この屋敷と庭園は、のちに売却されています。この豊かな森林の喪失を憂えた地元の人たちが「落合の秘境」を保存する運動を起こし、昭和44年(1969年)にその一部が公園として開園しました。
その後、区により整備が進められ現在に至っています。
このおとめ山公園内には湧水が出ていて、「東京の名湧水57選」に選定されています。
湧水が集まり、池になっています。
Google検索だと「アオサギ」と出ました。こんな大きな鳥が新宿区内に生息しているのですね!
基本情報
所在地 | 東京都新宿区下落合2-10-5 |
公式HP | 未開設 |
主祭神 | 宇伽之御魂大神、大宮能売大神、佐田彦大神 |
創建 | 延長5年(927年) |
アクセス | JR高田馬場駅より徒歩10分 西武新宿線下落合駅より徒歩12分 |
まとめ
東京のバスに乗っていると、「〇〇稲荷前」なんていうバス停がよくあります。
東京には、ガイドブックに載っていない神社がたくさんありますよね!!
そういう小さな神社のお祭りに遭遇すると、地元の人たちの熱気を感じて、ホッコリしてしまいます。
※記事の情報は、参拝当時の情報となってます。
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