東京狛犬研究
ほとんどの神社では、狛犬が鎮座して神域を守っています。
神社によりその形は、ずいぶんと違いがあります。今回は、狛犬写真を集めてみました。
※写真はクリックしますと拡大します。
狛犬の起源
写実的に言えば、どう見ても犬ではないですよね!!狛犬の起源は諸説ありますが、インドなどでは、仏像の前に獅子の像を祀っていました。
仏像の伝来とともに、獅子の像も伝来したのが狛犬の起源とされています。(諸説あり)
仏像などの仏教は、朝鮮半島から伝わったため「高麗の犬」から狛犬となったという説があります。
神社により違いますが、右側で口を開けているのが獅子で、左側で角があるのが狛犬というのが基本形です。
この一対の像を狛犬と呼びますが、獅子と狛犬がセットになったものなのです。
狛犬 | 獅子 |
上の写真は、芝大神宮の狛犬ですが左の狛犬には角があり、右の獅子には角がなく口を開けています。
獅子の特徴は、吠えるかのように口を開けています。狛犬は、ほとんどの場合口を閉じています。この構成は、寺院の金剛力士像の阿像吽像と同じです。(阿像が口を開けた憤怒形、吽像は口を閉め黙形となっています。)
ただ左の狛犬に角が生えている例は、東京の狛犬ではあまり多く見かけません。
中には歳月で取れたものもあるでしょうが、最初から角がなかったように見えます。(狛犬を上から見ることはできませんから謎です。)
狛犬コレクション
湯島天満宮 | |
東京都文京区湯島三丁目30番1号 TEL:03-3836-0753 | |
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年季の入った狛犬の言う感じです。石の上に作られているところが特徴です。 |
大國魂神社 | |
東京都府中市宮町3-1 TEL : 042-362-2130 | |
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大國魂神社には、宝物殿に重要文化財の木製の狛犬があります。鎌倉時代位の狛犬は、今のように屋外ではなく門の中や拝殿の中にありましたから木製でした。屋外に鎮座するようになってから、石製になりました。
隋神門まえの狛犬も、苔が生え歴史を感じます。 |
大宮八幡宮 | |
東京都杉並区大宮2丁目3-10 TEL : 03-3311-0105 | |
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現代に作られる基本的な狛犬です。解説で書いたような角などはありません。 |
中目黒八幡神社 | |
東京都目黒区中目黒3-10-5 TEL : 03-3712-5507 | |
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足の長い狛犬も新しいものではよく見受けられます。 |
小網神社 | |
東京都中央区日本橋小網町16-23 TEL:03-3668-1080 | |
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マーライオンに似ているような気がします。 |
角あり狛犬
先にも書きましたが古い形の基本的な狛犬(左側の狛犬)には、角があります。東京の神社の多くの狛犬には角がありませんが、中には角の生えている狛犬もあります。
芝大神宮 | |
東京都港区芝大門一丁目12番7号 TEL :03-3431-4802 | |
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神明・天祖神社系の神社にしては珍しく狛犬が鎮座しています。神社の創建が、古いからかもしれません |
新宿十二社熊野神社 | |
東京都新宿区西新宿2-11-2 TEL : 03-3343-5521 | |
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こちらの神社は、摂社の狛犬が特徴的です。 | |
特徴的狛犬
白山神社 | |
東京都文京区白山五丁目31番26号 TEL : 03-3811-6568 | |
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こちらの狛犬は、目が金色となっています。獅子の頭にも角のようなものが生えていますが、丸くお団子? |
鳥越神社 | |
東京都台東区鳥越2-4-1 TEL : 03-3851-5033 | |
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ずんぐりした狛犬が多い中、ドベルマンみたいな筋肉質な狛犬です。 |
赤坂氷川神社 | |
東京都港区赤坂六丁目10番12号 TEL:03-3583-1935 | |
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鳥越神社の狛犬が筋肉質でしたが、赤坂氷川神社の狛犬は頭が大きく少し肥満気味?チャウチャウ犬のようです。 |
五條天神社 | |
東京都台東区上野公園4-17 TEL:03-3821-4306 | |
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足が長くてスリムで、ネコ科の動物のようです。獅子もネコ科ですけれどもね。素材はブロンズですかね? |
子連れ狛犬
狛犬をよく見ると足元に子供がいる像が結構あります。割と新しく作られた狛犬は、左の狛犬に子供がいて、右の獅子が手毬を持っています。最近の造形なのでしょうね、私は勝手に現代型と呼んでいます。
ところが時代の古そうな狛犬は、右の獅子に子供がいることが多いように思われます。授乳しているものもあります。
鷺宮八幡神社 | |
東京都中野区白鷺1-31-10 TEL : 03-3338-8536 | |
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こちらの神社は3対の狛犬が鎮座してますが、鳥居をくぐってすぐの狛犬が小さいのですがもっとも古そうな造形をしています。右の獅子が授乳しています。拝殿すぐの狛犬は、現代型の狛犬です。 |
王子神社 | |
東京都北区王子本町1-1-12 TEL:03-3907-7808 | |
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私は現代型と呼んでいる狛犬です。左の狛犬に子供、右の獅子が手毬を持つ典型的なパターンです。 |
亀戸香取神社 | |
東京都江東区亀戸3-57-22 TEL : 03-3684-2813 | |
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現代型をもう一つ紹介です。 |
花園神社 | |
東京都新宿区新宿5丁目17番3号 TEL : 03-3209-5265 | |
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花園神社の狛犬は、少し年季が入っていそうです。現代型に近いですが、獅子の足元に子供がいて、狛犬の足元に手毬があります。 |
北野神社 | |
東京都文京区春日1-5-2 TEL : 03-3812-1862 | |
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北野神社の獅子も、授乳しています。 |
平塚神社 | |
東京都北区上中里1-47-1 TEL:03-3910-2860 | |
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台座が溶岩を使っていますし、左側の狛犬は子狛犬と向き合っています。珍しいポーズです。 |
まとめ
狛犬は、神社ごとに本当に特徴的です。
起源の本文で狛犬(左の狛犬)には、角が生えていると書きました。
でも再度見直すと、ほとんどの神社の狛犬には角が生えていませんね。
研究課題ですね!!!
追記
表紙の写真は神田明神です。神田明神の狛犬もチャント紹介しますね!!
江戸の総鎮守 神田明神です。狛犬もとても強うそうです。
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