千駄ヶ谷散策:東京の中心とは思えない静かな町を散策
千駄ヶ谷界隈は、国立競技場などがありイベントがある時は大変混み合いますが、平日はわりと静かな地域です。
千駄ヶ谷にはかつて徳川宗家の邸宅が、明治時代から昭和の初期までありました。邸宅跡は、現在の東京体育館となっています。
▼目次
散策コース
副都心線「北参道駅」>>庚申塚>>鳩森八幡神社>>瑞円寺>>聖輪寺>>仙寿院>>大江戸線「国立競技場駅」という感じで周って来ました。
今回の目的は八所八幡神社の一つ鳩森八幡神社への参拝が主目的でしたが、過ごしやすいシーズンでしたから周辺の寺院も巡って来ました。
北参道駅をスタート地点にしたのですが、時間が有れば原宿で降りて明治神宮を参拝して、東郷神社を巡ってこのコースを回る方がより充実した散策コースになります。
この日は午前中に私用があり午後からの散策となり、ショートコースとなってしまいました。
北参道駅から鳩森八幡神社に向かう途中に、将棋会館があります。藤井聡太5冠の活躍で、最近よくテレビで見る会館ですね。
庚申塚
こちらの庚申塚は、鳩森八幡神社の境外社です。多くの庚申塚がそうなのですが、道の増幅や新設で壊されたり移転させられてしまっています。こちらの庚申塚も、片付けられていたものを再建したものです。
この庚申塚は、享保八年癸卯(1724年)に作られたもので、正面の石仏は青面金剛像で一緒に三匹の猿が刻まれています。
作られてから280年の歳月が流れていますから、結構摩耗していてもうお顔は判別できません。
この庚申塚は足腰の健康に御利益があり、多くの草鞋が奉納されています。左右の壁に見える藁が草鞋です。
鳩森八幡神社
江戸時代の文献には、鳩森八幡宮と記載されていますが、現在は鳩森八幡神社と呼ばれています。
創建は詳しくはわからないようですが、伝承ではこの地の森で多くの鳩が現れ、不審に思った村人が森に入ると、鳩たちは西の方角へと飛び立っていきました。この現象は霊瑞(不思議なめでたいしるし)とされ、この地に堂宇を立てたのが始まりとされています。
こちらの神社には、今でも一般に開放していて登れる富士塚があります。江戸時代には富士講(富士を霊山として登拝する信仰組織)が流行り、富士塚が多く作られましたが遺構となってしまっているものが大半です。こうして登れる塚は、貴重です。
私もいくつかの富士塚を登りましたが、こちらの富士塚は道が狭く結構急なので大変でした。
富士塚専用の御朱印もありますので、興味のある方はぜひ行ってみてください。(御朱印は神社社務所にて、初穂料500円です)
瑞円寺
鳩森八幡神社の南東に位置するのがこちらの、瑞円寺です。瑞円寺はかつて、鳩森八幡神社の別当寺でした。
瑞円寺の門をくぐり、左にカーブする坂道を登るとそこに本堂があります。本堂のところには、お賽銭箱がなくただ静かにお参りをしてきました。
本堂の向かい側に謎の石像がありましたが、羊なのですかね?
聖輪寺
瑞円寺を、北側に行くと真言宗豊山派の聖輪寺があります。
東大寺大仏造立の勧進活動をおこなったことで有名な、行基菩薩が新亀2年(725年)北越を旅している途中にこの地を訪れました。
行基はこの土地で、聖如意輪観音の啓示により如意輪観音像を彫り石の上に安置しました。
この事蹟により当寺院は、山号を觀谷山、寺号は聖如意輪観音より文字をもらい聖輪寺と号するようになったと伝えられています。
時代は下って安土桃山時代の慶長3年(1596年)に、甲賀組の高橋四郎左衛門により堂宇を再建されています。
寺院の前の道路は、今でも「観音坂」と呼ばれています。
写真は、本堂左側に鎮座してます身守不動尊です。
御府内八十八ヶ所霊場10番札所
仙寿院
聖輪寺からまた瑞円寺に戻り更に南側に行くと細い路地を左に入っていくと仙寿院の裏側に着きます。
参道は東側にあり、本堂の横に入っていくという感じです。本堂は南面していて、南側に墓地があるという少し変わった作りになっています。
現在の仙寿院は小ぢんまりとした寺院ですが、江戸時代には広大な敷地を持った寺院でした。
本堂の裏手は日暮里の景観にいていたと言われ、「新日暮」の里と呼ばれていました。
こちらの寺院は、紀州徳川家の祖徳川頼宣の生母お万の方の創建です。紀州徳川家の江戸における祈願寺としての地位にあり、10万石の寺格を持っていました。
お万の方は、厚く法華経を信仰していたようです。
仙寿院は、明治18年に火災が起こり、昭和20年戦火でも消失し、さらに東京オリンピックの道路拡張の折に規模を縮小しています。
墓地の下には、千駄ヶ谷トンネルが通っています。なにか不敬な感じがしますよね、トンネル開設当時は幽霊話もあったようです。
境内にある布袋像ですが、少しお顔が紅の豚に似てますよね!
まとめ
千駄ヶ谷のこの周辺は神社仏閣が集中しているので、2時間もかからずに回れれます。
近隣の聖徳記念絵画館を回ったついでに立ち寄るなど、近隣に行ったときに追加でこのコースを回るのがおすすめです。
※情報は参拝した当時の情報です。
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